【論文解説】不安定プラークに対する予防的PCIの安全性・有効性は?【論文解説】

Preventive percutaneous coronary intervention versus optimal medical therapy alone for the treatment of vulnerable atherosclerotic coronary plaques (PREVENT): a multicentre, open-label, randomised controlled trial
Lancet. 2024 Apr 4:S0140-6736(24)00413-6.

今回は、Prevent studyが取り上げられました。
急性冠症候群や心臓突然死は、脂質に富むアテローム性動脈硬化プラーク(不安定プラークと呼ばれる)の破裂や血栓症によって引き起こされることが多いとされている。本論文は、脆弱プラークに対する予防的PCIが、至適薬物療法のみと比較して臨床転帰を改善するかどうかを評価することを目的としています。

方法:4ヵ国(韓国、日本、台湾、ニュージーランド)の15の病院で行われた多施設共同非盲検無作為化比較試験
対象:18歳以上で冠動脈内画像によって不安定冠動脈プラークが同定された患者を、PCI+至適薬物療法群または至適薬物療法単独群に無作為に割り付け(1:1)。
主要アウトカム:心臓死亡、標的血管の心筋梗塞、虚血による標的血管血行再建術、不安定狭心症または進行性狭心症による入院の複合・2年後のintention-to-treat集団で評価した。

結果 :2015年9月23日~2021年9月29日の間に、登録された1606例を、経皮的冠動脈インターベンション群(n=803)または至適薬物療法単独群(n=803)に無作為に割り付けし、全体で73%が男性でした。不安定プラークはMLA等で主に判断されています。2年後、主要アウトカムはPCI群で3例(0〜4%)、OMT群で27例(3〜4%)にみられた([95%CI -4〜-1-8]、p=0.0003)。予防的PCIの効果は主要複合アウトカムの各構成要素でも一貫していました。重篤な臨床的有害事象はPCI群とOMT群との間に有意差はありませんでした。

本論文では、不安定プラークを有する患者において、予防的PCIはOMTのみと比較して、不安定プラークに起因する主要な有害心イベントを減少させたと結論づけています。今回の結果を、どのように現状の臨床に反映させるのか、これからの議論が望まれます。

発表後は以下の内容で議論が行われました。
・手技関連MIに関して
・PCI群で9%はPCIを施行していない
・ACSの残枝の扱いをどうするのか

発表:陳先生  文責:吉岡

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