気が遠くなって倒れました。失神について。

気を失って倒れられた事はありますか?
あるいは、その様な場面に遭遇したことはありますか?

まず知っておいて頂きたいのは、このような場面では、速やかに救急車を呼び、人を集めることを第一に考えてください。このページでは、自然に意識が戻った方について、どのようなご病気がありうるのか、解説をさせて頂きます。

失神か、失神以外か、それが問題だ。

気を失う病気は、さまざまものがあります。その中で、1〜2分までに意識が戻り、ぼやっとした感じが残らないものを失神と呼んでいます。失神は、気を失う病気の中で、頻度が高いことと、心臓が原因でありうるので、重要とされています。

なお、失神以外に気を失う原因としては、脳の病気(脳出血やてんかんなど)や、血糖値が低い状態などがありえます。

失神の原因もたくさんあります。

反射性失神

反射性失神とは、自律神経の異常な活動によって起こる失神です。典型的には、トイレでいきんだ後や、採血の後などに、冷や汗や吐き気を伴って最終的に気を失うものです。この失神自体では命に関わる事は考えにくいですが、繰り返す方では運転中などに気を失わないかは注意が必要です。

起立性低血圧

いわゆる立ちくらみです。立ちくらみも、ただ単に脱水気味であることが原因であることや、血圧が下がるお薬が効き過ぎている場合などもあります。かかりつけの先生などに、ぜひ相談されてください。

心原性失神

心臓に原因のある失神です。失神の原因としては最も頻度が低いですが、命に関わることがあるため、特に注意が必要です。心臓の病気も、不整脈が原因であるものと、弁膜症などの心臓の構造上の異常が原因であるものがあります。

  • 突然死をされたご家族がおられる方が気を失った
  • 運動中や横になっている時に気を失った
  • ドキドキ感や、胸の痛みに引き続いて気を失った

この様な経験がありましたら、早めに循環器専門の医院や病院を受診されてください。

様々な不整脈が失神の原因となります。
構造的な心疾患も様々なものがあります。肥大型心筋症というご病気の心臓の例です。

最後に

大切なことなので、二度お伝えします。

目の前で気を失って倒れた方がおられたら、すぐに救急車と、周囲の助けを呼んでください。

なぜ気を失ったかは、その後で、じっくりと考えましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

【佐賀大学医学部循環器内科ドクター】

佐賀大学医学部循環器内科に勤務するドクターが、心臓にかかわる病気のよくある事例や予防をブログにて執筆しております。少しでも皆さんのお役にたちますように。