【論文解説】高齢・フレイル症例のAFに対するWF vs DOAC:どちらが望ましい?  

Safety of Switching from a Vitamin K Antagonist to a Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulant in Frail Older Patients with Atrial Fibrillation: Results of the FRAIL-AF Randomized Controlled Trial
Circulation. 2023 Aug 27.

高齢・フレイル症例の心房細動(AF)に対するワルファリン(=VKA) vs DOAC切り替えに関しては、エビデンスが不足しています。

本研究では、多施設共同研究でフレイル(年齢75歳以上+GFIスコア3以上)を有するAF患者を対象にしています。INRガイド下VKAをDOAC切り替える群と、VKA継続群に無作為に割り付けられました。追跡期間は12ヵ月で、主要転帰は大出血または臨床的に関連性のある非大出血合併症とし、原因特異的ハザード比(HR)を算出しています。副次的アウトカムには血栓塞栓イベントを含めています。結果 2018年1月から2022年6月の期間で、最終的には1,330例が無作為化されたています(平均年齢83歳)。無作為化後、intention-to-treat集団ではVKAからNOACへの切り替え群662例、VKA継続群661例が対象となっています。163例の主要転帰イベント(切り替え群101例、継続群62例)が発生した後、試験は中止されました。
出血イベントは、皮下出血・泌尿器科出血・消化管出血がDOAC継続群で多い結果。
主要転帰のHRは1.69(95%CI 1.23-2.32)。血栓塞栓イベントのHRは1.26(95%CI 0.60~2.61)。結論として、高齢・フレイル症例のAF患者においてINRガイド下VKA治療をDOACに切り替えることは、VKA治療継続群と比較して出血性合併症の増加と関連し、血栓塞栓性合併症の減少とは関連しませんでした。

発表後は以下の内容で討議が行われまいた
・イベントが90日を超えて差が開く理由
・DOACによる差は
・日本におけるVKAの管理に関して
・今回使用されたフレイルスコアについ

                       発表:鶴田先生   文責:吉岡

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