タコツボ型心筋症を発症した男性の死亡・合併症率は女性と比較して高い:米国Nationwide Inpatient Sampleデータベースより

Movahed MR, Javanmardi E, Hashemzadeh M. High Mortality and Complications in Patients Admitted With Takotsubo Cardiomyopathy With More Than Double Mortality in Men Without Improvement in Outcome Over the Years. J Am Heart Assoc. 2025 May 20;14(10):e037219. doi: 10.1161/JAHA.124.037219. Epub 2025 May 14. PMID: 40365782; PMCID: PMC12184606.

本研究は、米国のNationwide Inpatient Sample(NIS)データベースを用い、2016〜2020年に入院したたこつぼ型心筋症(TC)患者約20万人を対象に、予後や合併症の傾向を解析した後ろ向き観察研究です。患者の平均年齢は67歳で、83%が女性でした。TCの入院頻度は年々増加傾向にあり、特に46〜60歳で発症率が急増していました。人種では白人が最も高率でした。

院内死亡率は6.6%と高く、一般入院患者の約3倍の死亡リスクを有しました。さらに、男性患者の死亡率は11.2%と女性の5.5%の2倍以上であり、この性差は多変量解析でも独立して確認されました。死亡率は研究期間を通じ改善せず、2020年には8.3%と上昇しており、COVID-19パンデミックが一因と考えられます。

主要な合併症として心不全(36%)、心房細動(21%)、心原性ショック(6.7%)、脳卒中(5.4%)、心停止(3.4%)、心破裂(0.02%)が認められました。特に心原性ショックはオッズ比12.7と強く予後に関連していました。これらの合併症発生率も年々増加しており、TCは可逆性疾患とされる一方で急性期リスクは高いことが示されています。

入院期間中央値は4日で、アジア系・ネイティブアメリカン、Medicaid利用者、大規模病院では延長傾向でした。逆に女性、高齢者、私立病院での入院は短縮していました。

本研究は、TCが高い死亡率・合併症率を伴い、特に男性でリスクが顕著であることを明らかにしました。病態は未解明な部分が多く、治療法も確立していません。今後は性差を含む病態理解、早期診断、合併症対策を目的とした介入研究が必要です。

発表 吉岡   文責 吉岡

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