Martens P, Augusto SN Jr, Erzeel J, Pison L, Mullens W, Tang WHW. Effects of Atrial Fibrillation Ablation for Heart Failure With Preserved Ejection Fraction: Insights From CABANA. JACC Heart Fail. 2025 May;13(5):785-794.
この研究は、心房細動(AF)アブレーションが、駆出率保持心不全(HFpEF)患者に与える影響をCABANA試験データを用いて検討したものです。CABANA試験では、脳卒中リスク因子を有するAF患者をアブレーション群と薬物療法群に無作為化し、今回の解析ではH2FPEFスコア(≥6でHFpEF高リスク)を用いてHFpEFの可能性を評価しました。解析対象は1,763例で、その55%がHFpEF高リスク群でした。主な結果として、HFpEF高リスク群ではアブレーションにより全死亡または心血管入院のリスクが有意に低下(HR 0.82, 95%CI 0.69–0.98, P=0.025)し、AF再発抑制効果も顕著でした(P for interaction=0.035)。一方、低リスク群では有意な効果は認められませんでした。機能的転帰(NYHA, CCSスコア)や体重減少も両群で改善しましたが、高リスク群でより大きな傾向を示しました。本解析は観察期間中の有害転帰抑制が主に心血管入院減少によるものであることを示し、AFとHFpEFの併存が予後に影響する可能性を支持します。ただし、H2FPEFスコアの一部データ欠損や新規HFpEF治療薬併用の影響は未検討であり、今後さらなる前向き検証が必要です。本結果は、HFpEF合併AF患者においてアブレーションを積極的に検討すべき層を識別する一助となる可能性があります。
