【論文解説】MRIで測定した左房ストレインと、左房線維化との相関

MRIで測定した左房のストレインと、左房線維化との相関に関する論文が取り上げられました。

Cardiac MR Strain: A Noninvasive Biomarker of Fibrofatty Remodeling of the Left Atrial Myocardium
Radiology. 2018 Jan;286(1):83-92.
Adrian T Huber, et al.

左房ストレインは、左房機能(特に左房拡張機能のうち、stiffness)を測定する比較的新しい指標です。すでに、心疾患の予後や脳梗塞イベントとの関連が示されています。左房ストレインの低下には、心房線維化の関与が指摘されていますが、十分な検討がされていないのが現状です。

本論文では、左房ストレインと心房筋の組織学的線維化を評価しています。僧帽弁手術を行った症例で、心臓M R Iと心房組織所見を得て、対称群と比較を行っています。僧帽弁手術を施行したグループでは、対称群と比較してストレイン値は有意に低い結果で、その中でもpeak left longitudinal strain(PLAS)が左房線維化と最も良く相関していました。また、僧帽弁疾患に加えて心房細動を有する症例でPLASが低い結果でした。

左房ストレインは心エコー検査でも測定可能な指標で、今後の更なる研究と、実臨床での実装が望まれます。

                            発表 高橋先生 文責 吉岡

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