【ガイドライン解説】2022 年 JCS ガイドライン フォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療 より

JCS 2022 Guideline Focused Update on Diagnosis and Treatment in Patients with Stable
Coronary Artery Disease

Shintaro Nakano, Shun Kohsaka, Taishiro Chikamori, Kenji Fukushima, Yoshio Kobayashi, Ken Kozuma, Susumu Manabe, Hitoshi Matsuo, Masato Nakamura, Takayuki Ohno, Mitsuaki Sawano, Koichi Toda, Yasunori Ueda, Hiroyoshi Yokoi, Yodo Gatate, Tokuo Kasai, Yoshiaki Kawase, Naoya Matsumoto, Hitoshi Mori, Ryo Nakazato, Nozomi Niimi, Yuichi Saito, Ayumi Shintani, Ippei Watanabe, Yusuke Watanabe, Yuji Ikari, Masahiro Jinzaki, Masami Kosuge, Kenichi Nakajima, Takeshi Kimura, on behalf of the JCS Joint Working Group

CJ-21-1041

最近のエビデンスの集積に伴い、日本循環器学会を中心に、慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)と安定冠動脈疾患の血行再建ガイドライン(2018年改訂版)が改訂・公開されています。
それらに含まれない重要な情報をフォーカスアップデートとして策定され、2022年に公開されました。

ISCHEMIA studyを中心としたエビデンスの集積があり、心筋虚血が証明された症例での血行再建の是非が議論される中で、今回の改訂が行われています。

今回の改訂の要旨として
1:安定 CADの検査前確率(PTP)と臨床的尤度(CL)の系統的評価方法を示した。
2:検査前確率・臨床的尤度シーケンスと各施設における画像検査モダリティの使用状況を加味した非侵襲的画像検査選択の最適化アルゴリズムを作成
3:解剖学的・機能的リスクおよびOMTへの反応性に基づいた侵襲的冠動脈造影と血行再建の適応とそのタイミングを明記。
4:イベント予防と症状緩和を目的とした最新の目標設定型OMTの早期導入の重要性を強調。

特に検査前確率が5%未満であれば経過観察、5-85%であれば冠動脈CT等、>85%であれば負荷イメージングが推奨されています(検査前確立に関しては、年齢・性別・症状を中心にガイドラインに評価法が記載)。

さらに、OMTに関しては、硝酸薬・βブロッカー・カルシウム拮抗薬の開始、そしてストロングスタチンを使用して、LDL70未満が目標として記載されました。 アスピリンに関しては二次予防での推奨となり、消化管出血等のリスクも考慮する必要があるとされています。

特に考慮が必要な症例群として、CKD・高齢者などは個別のリスク評価・加療が求められると考えられ、個別にセクションが設けられています。

本ガイドラインに関しての注意点として、
1:安定冠動脈疾患と不安定冠動脈疾患の判定の難しさ
2:無症候例の扱いについて
3:特にISCHEMIA studyなど海外データを元にした改訂であること

●質疑応答の内容
・アスピリン導入につしての是非
・このガイドライン改訂の浸透について
・OMTを行った場合のフォローに関して

発表 夏秋先生、 文責 吉岡

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