論文採択のお知らせ(2022.8)

白木先生の論文がEuropean Journal of Pharmacology誌に掲載されました。

Empagliflozin improves cardiac mitochondrial function and survival through energy regulation in a murine model of heart failure.

Aya Shiraki, Jun-ichi Oyama, Takahiko Shimizu, Takayuki Nakajima, Takashi Yokota, Koichi Node

European Journal of Pharmacology, 2022 Aug. 931

https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0014299922004551

SGLT2阻害薬は大規模臨床試験において心不全の入院を改善し、現在その心保護効果のために心不全の患者さんに使用されるようになっています。しかしながら、なぜ血糖降下薬であるSGLT2阻害剤が心不全に良い影響をもたらすのかその機序は依然として不明でした。今回我々は、SGLT2阻害剤の一つであるエンパグリフロジンを使用すると、左室駆出率低下を伴う心不全のモデルマウス(MnSOD-cKOマウス)の寿命が延長することを明らかにし、さらにその機序に迫りました。調べてみると、エンパグリフロジンを投与すると心不全の時に機能がおちるはずのミトコンドリア機能やその量が維持され、全身や心臓で消費できるエネルギーが増やすことができていることがわかりました。また、エンパグリフロジンを使用すると血中の満腹ホルモンレプチンが低下すること、それにより食欲をアップすることで、心不全によって通常は減少してしまう食事量が増え、結果的に体に取り入れるエネルギーが増えていることも心不全の改善に需要な役割を担っていると考えられました。今回は血糖降下薬であるエンパグリフロジンが、心臓のエネルギー代謝を改善して心不全マウスの寿命を延ばすことを発見し、その機序を明らかにしたことが評価され、ヨーロッパ科学雑誌であるEuropean Journal of Pharmacologyに掲載されました。

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