Left ventricular functional recovery after atrial fibrillation catheter ablation in heart failure: a prediction model
Bergonti et al. Eur Heart J. 2023 Sep 14;44(35):3327-3335.doi: 10.1093/eurheartj/ehad428.
目的:
心房細動(AF)と心不全(HF)を併発した患者の管理は依然として複雑です。単一施設のコホートで、4つのパラメータに基づくAntwerp score(QRS >120msで2点、既知の病因で2点、発作性AFで1点、重度の左房拡大で1点)が、AFアブレーション後の左心室駆出率(LVEF)回復の確率を適切に推定しました。本研究では、この予測モデルを大規模なヨーロッパ多施設コホートで外部検証することを目的としています。
方法および結果:
ヨーロッパ8施設でAFアブレーションを受けた、HFおよびLVEFが50%未満の患者605名(平均年齢61.1±9.4歳、女性23.8%、持続性AF患者79.8%)を後ろ向きに抽出しました。12ヶ月後のエコー検査に基づくLVEFの変化によって、427名(70%)が2021 Universal Definition of HF criteriaによるresponderと定義されました。スコアの外部検証では、良好な識別能とキャリブレーションが示されました(Area Under the Curve 0.86[95%信頼区間0.82–0.89]、P<.001;Hosmer–Lemeshow P=0.29)。スコアが2未満の患者は93%の確率でLVEFが回復し、スコアが3以上の患者では24%に過ぎませんでした。responderは、より多くの心室逆リモデリング(オッズ比8.91、95% CI 4.45–17.84、P < .001)、心不全による入院の減少(OR 0.09、95% CI 0.05–0.18、P < .001)、および死亡率の低下(OR 0.11、95% CI 0.04–0.31、P < .001)を認めました。
結論:
この多施設研究において、簡単な4つのパラメータによるAntwerp scoreは、HF患者におけるAFアブレーション後のLVEF回復を予測し、臨床結果を識別しました。これらの知見は、今後のAFアブレーション紹介の意思決定を標準化するために有用であることを支持しています。
以下の論点で討議が行われました。
・心房の組織学的変化とantwerp scoreの関係
・PAFでLVEFの改善が乏しい理由
・scoreの組み合わせによって結果が異なりうるか
発表 枝吉先生 文責 鍋嶋