【論文解説】Kagoshima-DVT score:術前DVTのスクリーニングについて

J Cardiol . 2022 May;79(5):664-670.
A new pre-test probability score for diagnosis of deep vein thrombosis in patients before surgery
Yuki Hamamoto, Akihiro Tokushige, Yuasa Toshinori, Yoshiyuki Ikeda, Yoshihisa Horizoe, Hisayo Yasuda, Takuro Kubozono, Mitsuru Ohishi

術前のDVT検査は、ガイドラインにも規定されている通り、病歴・身体所見やDダイマーを用いて評価し、画像検査で診断を行う。今回は、術前の評価に使用する新たなスコアの論文を取り上げた。

方法 :入院患者および外来患者973名に対し、術前検査でDVTが疑われた場合に下肢静脈エコーを実施した。研究参加者の3分の2(n=651)でスコアを作成し、3分の1(n=322)を検証コホートに割り付けた。
結果:DVTのスコアを多変量解析より作成し、Dダイマー≥1.5μg/mLに2ポイント、年齢60歳以上・女性・グルココルチコイド治療継続中・長期不動・がんにそれぞれ1点ずつを割り当てた。DVTの発生率は、低スコア(スコア0-2)で6-7%、中スコア(スコア3-4)で22-23%、高確率(スコア≧5)群ではそれぞれ47-50%であった(p<0.0001)。
結論: 術前確率スコア(Kagoshima-DVT score)は,入院患者,外来患者ともに術前DVTの発見に有用であった.

発表後は以下のポイントで議論が行われた。
・客観的な指標が多く、使用しやすい印象。
・誰が評価を行うのか。
・どのくらいの人が、下肢静脈エコーを要するのか。

発表:吉岡  文責:吉岡

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