【論文解説】新規病変へのDCBの効果は?:REC-CAGEFREE I Trialより

Drug-coated balloon angioplasty with rescue stenting versus intended stenting for the treatment of patients with de novo coronary artery lesions (REC-CAGEFREE I): an open-label, randomised, non-inferiority trial
Lancet 2024; 404: 1040–50
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01594-0/fulltext

この研究は、中国全土の43施設で行われた「REC-CAGEFREE I」試験で、新たに発生した冠動脈病変に対する薬剤コーティングバルーン(DCB)血管形成術と救済ステント治療が、第二世代薄型薬剤溶出ステント(DES)と比較して非劣性を検証したものです。対象は、非複雑な冠動脈病変を持つ18歳以上の患者で、ランダムにDCBとDESのどちらかに割り当てられました。DCB群はパクリタキセルコーティングバルーンを使用し、不十分な治療結果が得られた場合にはステントを留置されています。ACSが5割超、血管内イメージングは1割弱で使用されています。

主な評価項目は、24か月後のデバイス関連の複合エンドポイント(DOCE)であり、これは心血管死、標的血管心筋梗塞、臨床的または生理学的に必要とされた病変再血行再建を含みます。この研究では、DCB群がDES群に対し非劣性基準を示せませんでした。24か月の追跡調査では、DCB群の患者の6.4%がDOCEに達し、DES群では3.4%でした。また、重要な副次的評価項目としては、DCB群の方が再血行再建(TLR)を必要とする確率が高い結果となりました。BARC 3or5の出血に関しても、2群間では有意差はありませんでした。
サブ解析では、非小血管では再狭窄等のイベントが多く、TCT2024での発表では特にLAD近位部・非小血管・ACSはDES betterとなる結果でした。

結論として、この試験の結果は、DCBを用いた治療が非小血管の冠動脈病変において非劣性を達成しませんでした。また、今回の結果は小血管病変には当てはまらず、さらなる検証が求められるとしています。

発表後の
・心臓死の中身はMIなのか?
・IVUS/OCTの使用率の影響は?
・DAPT期間の影響は?

発表:園田先生  文責:吉岡

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